日本酒 太る「日本酒は糖度が高いから太る」このような話を聞いたことはありませんか。甘い日本酒は糖分が多いからきっと体に悪い、太る。せめて辛口にしよう。本当ですか?本当に日本酒は太るのか数値的に、行動学的に調べてみましょう。






意外と知らない真実!日本酒を飲むと太る4つの関係

1)日本酒は太らない

太ることを気にする人はまずカロリーを気にします。それでは本当にカロリーは高いのか、様々なお酒を100ミリリットル当たりのカロリーを比べてみましょう。

お酒のカロリー比較
(100ミリリットル当たり)
種類 カロリー
ビール 40kcal
発泡酒 45kcal
ワイン 73kcal
日本酒 103kcal
焼酎(乙類) 146kcal
梅酒 156kcal
焼酎(甲類) 206kcal
ウイスキー 237kcal
ブランデー 237kcal
ウォッカ 240kcal
ジン 284kcal

日本酒は103カロリー。確かにビールやワインに比べても高いなという印象ですが、比べる条件を統一しています。ビールやワインは100ミリリットル飲んで済みますか。グビグビ飲むドリンクとチビチビ飲むものを一緒にしては比較できないでしょう。アルコール度数の高いウォッカやジンは確かにカロリーが高いアルコールですが、そんなに量を飲むものでしょうか。カロリーだけでは一言で太るとは言えないということがわかります

2)エンプティカロリー

お酒に含まれているカロリーの事を「エンプティカロリー」と呼びます。カロリーがエンプティ(空っぽ)という意味ではありません。カロリーはあるのに栄養素は無いという意味です。英語で日本に入ってきた時に出た誤訳がそのまま「太らないカロリー」と誤解されているのかもしれません。お酒にはビタミンやミネラルは無いけれども脂質や炭水化物は含まれているのです。

お酒の原料を考えたらお分かりだと思います。麦やその他野菜ですね。日本酒だって原料は米と麹です。お酒は脂質や炭水化物よりも優先的に代謝され熱として放出されます。つまり体内に脂肪としては残らないと言われています。お酒を飲むと体が温まり、人によっては顔も赤くなります。

日本酒の熱燗は早く暖を取りたい寒い日には格別です。それでは何によって日本酒は太るという俗説が生まれたのでしょうか。

3)太るのはつまみのせいではない

今度は別の俗説があります。「お酒で太るのはつまみを食べすぎるせい」確かに一理あるかとも思います。お酒を大量に飲むと体内がお酒の分解でお大忙しとなる分、一緒に食べたおつまみの分解は後回しになって体内脂肪として残るのでしょう。日本酒のアルコール濃度を急に上げずに内臓、特に肝臓に負担をかけないようにするにはおつまみを食べてから飲みましょうという話もよく聞きます。

それはそれで正しいのですが、何を食べるかに太る問題があります。居酒屋定番の唐揚げやフライドポテトなどの油を使ったものや、チーズなどの乳製品を食べたくなるのはお分かりですね。確かに油分や乳製品は胃腸を膜で保護してアルコールの吸収を緩やかにしてくれます。本当はお酒を飲む前に少量食べておくことが正解です。飲み始めたら揚げ物やチーズを使った食品は大量に食べると太る元です。

飲み始めたら何を食べればよいのか。次の章でおすすめを解説しましょう。

4)太らない日本酒とつまみの組み合わせ

お酒の、アルコールの分解に必要なタンパク質を体に取り入れ、かつ脂肪分が少なく低カロリーの食事をとるように心がけましょう。特に日本酒は糖質を多量に含んでいるため、糖の分解に必要な栄養素を摂る必要があります。太ることは代謝を下げてしまい、体内に脂肪分を溜めてしまうことで太ります。まずおすすめするのは日本酒は出来るだけ熱燗で飲むということです。

お酒で体は温まります。体が火照ってくると冷たいものが飲みたくなります。ところがそこで冷たい日本酒を飲むと体が冷えてしまい、代謝能力を下げてしまいます。次はお水です。日本酒を飲む際にはお水をチェイサーとしてお酒のわきに置いておきましょう。日本酒とお水を交互に飲むことによって体内のアルコール濃度を下げ辛い二日酔いの防止にもなります。

さらには口がさっぱりして日本酒の風味を楽しめる特典もついてきます。周りに何を言われても酒と水が一番うまいと言い切りましょう。さて、おつまみです。これは日本酒の糖質を代謝させる上で大切な栄養素がビタミンB1です。ビタミンB1を含む食材と言えば豚肉、大豆、昆布、海苔などの海藻類、鰻などが挙げられます。豚肉には炒めるために油を使いますのでおすすめしたい食べ物はずばり豆腐です。

つまみに冷奴などはいかがでしょう。その他にも枝豆や野菜類にはビタミンCも摂れますのでおすすめです。ということはやはり日本酒には和食ですね。さすが世界遺産にもなった日本食。同じ国の飲み物と食べ物ですから相性はばっちりです。ただし、アルコールは体内の塩分を分解してしまうということも研究されています。お酒を飲むと塩分の強いものが欲しくなります。

醤油や塩をふんだんに使うと塩分の摂りすぎにつながります。塩分は控えめにして素材の味を楽しむように努めましょう。

5)体は太らなくとも肝臓は太る

おつまみは太るからと言って何も食べずに空きっ腹で飲むことで避けていただきたい。空腹で飲むと お酒がすぐに回ってしまい判断力が鈍ります。そうするとお腹が空いているため食べ過ぎてしまうことが予想されます。お腹の中は空っぽで胃を痛める、目が欲しいから食べ過ぎる、悪循環ですね。またアルコールが急に体内に入ってくると肝臓が驚いて大忙しでアルコール分解のために働きます。

肝臓が働きだすと中性脂肪が合成されてそのまま残り肝臓は太っていくことになります。脂肪肝という病気までまっしぐらです。出来るだけ飲む前には少しでも良いので空腹にならないよう、お蕎麦一杯、牛乳一本でもお腹に入れるようにしましょう。お蕎麦にはルチンが多量に含まれていますので、宴会前のもり蕎麦一枚は特におすすめします。






今回のまとめ

1) 日本酒は太らない

2)エンプティカロリー

3)太るのはつまみのせいではない

4)太らない日本酒とつまみの組み合わせ

5)体は太らなくとも肝臓は太る