お酒 赤くなるお酒の席で顔を真っ赤にして楽しまれている方は、はたから見ても楽しそうに見えます。ではなぜお酒を飲んで赤くなる人とそうならない人がいるのでしょう。そこで今回はお酒を飲むと赤くなる因果関係についてご紹介します。






意外と知らない真実!お酒を飲むと赤くなる3つの理由

1)お酒が変わっていく様

お酒=アルコールは人間の体内に入ると変化していきます。アルコール→アセトアルデヒド→酢酸→炭酸ガスと水という形で変化していきますが、この変化の途中に生成されるアセトアルデヒドには毒性があり、アセトアルデヒドを分解する力の弱い人は顔が赤くなりがちだと言われています。

顔が赤くなることは血行が良い証拠とか、健康的だと思っていらっしゃる方は、実は真逆だったということを覚えておいてください。

2)フラッシング反応

お酒を飲むと顔が赤くなる現象をフラッシング反応と言います。さらにお酒の強さは先天的なもので遺伝により顔が赤くなる人、赤くはならない人がいるそうです。前述のアルコール脱水素酵素(ADH)という酵素の働きが弱い人にフラッシング反応は起こりやすいと言われています。

厚生労働省の発表によるとアセトアルデヒドはアルコール脱水素酵素(ADH)の作用で生成されますが、この酵素の分解が遅いと体内にアルコールが残り赤くなったり二日酔いになったりしやすいそうです。さらに頭痛や動悸が激しくなったりもするそうです。

余談ですが、お酒が強い、弱いはこのアセトアルデヒドを分解する酵素であるアルコール脱水素酵素(ADH)が普通に作用している(活性型)か、酵素の働きが弱い(低活性型)か、もしくはこの酵素が全く働かない(非活性型)に分かれるとされています。

恐ろしいことにこのフラッシング反応が出やすい人はアルコール依存症にもなりやすい体質なのだそうですが、この赤くなることが嫌で飲酒を控えてしまう行動がアルコール依存症になることを抑制しているそうです

ご自身がすぐ赤くなるタイプだと自覚していらっしゃる方は、お付き合いもあることだとは思いますが、酒量はご自身のペースを守り、適量を目指してください。

女の子が「私すぐ赤くなっちゃって……」と恥ずかしがる様子は可愛いなとも思えますが、調べてみると結構恐ろしい結果の導線になっていることがわかりました。

3)顔が赤くなる人は高血圧症を誘引

韓国の学会で発表された学説ですが、お酒を飲んですぐ顔が赤くなる人が高血圧症になるリスクはお酒を飲まない人より2倍も高いそうです。日本人を含む東アジア人の約半数は、お酒を飲んで顔が赤くなるフラッシング反応が起こりやすい体質を持っているそうです。

高血圧症はさらに心臓病や脳卒中を発症するリスクを高めます。毎日飲んでしまうと、骨粗しょう症や認知症を誘発するりすくも高くなるという説も発表されています。顔がすぐ赤くなってしまう方は、同じく赤くはならない方も含めて、できるだけ適量を心がけてお酒と付き合いましょう。

4)顔が赤くなる人はがん発症の可能性

アルコールと体内に入って変化するアセトアルデヒドには発がん性があるということがわかっています。WHO(世界保健機関)の評価(2007年)では、飲酒によって口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳癌の原因となると評価されています。また飲酒によって顔がすぐ赤くなる人はアセトアルデヒドが食道がんを誘発する可能性があると結論づけられています。

このアセトアルデヒドにより、食道に炎症が起きて、そこからがんが発生しやすいということです。顔が赤くなる自覚がある方はぜひ気を付けてください。さらに飲酒=アルコール摂取に加えて、喫煙と野菜や果物を取ることが不足している人も同じ内臓のがん発症のリスクを高めることがわかっているそうです。

女性の乳がん発症については欧米の研究がその多くの症例によりアルコールとの関連性を支持していますが、日本でも女性の飲酒率が増加傾向にあるにもかかわらず明確化してはいません。

5)エタノールパッチテスト

ご自分が遺伝的にお酒に強いのか、もしくは弱いのかを判断する場合は、厚生労働省が紹介する「エタノールパッチテスト」で判別してみましょう。

1.ガーゼに消毒用アルコール(70%)を染み込ませます。

2. 上腕のひじ関節や腋の中程など、皮膚の柔らかい部分にそのガーゼをテープで貼ります。

3. 7分間貼ったらガーゼとテープをはがします。

4.はがしてから約10分後にその部分の皮膚の反応をみます。

皮膚が赤くなっていれば赤型体質、つまりアルコールに対する耐性が弱い人。赤く反応していない人は白型体質、アルコールに対する耐性がある人と判別できます。

このエタノールパッチテストはアルコール耐性を視覚的に訴えることが出来るため、アルコール依存症などで苦しむ人の飲酒教育に活用されています。

血行が良いから赤くはなるけど本当はお酒が強いとか、宴会などで率先してお酒を飲んだ方が会社内の評価が上がると思い込んでいる方はここで考えを改めてください。酒は百薬の長などと言いますが、お酒は薬にも毒にもなる飲み物です。アルコール消毒などと言わず楽しんで適量を守ってお楽しみください。






今回のまとめ

1)お酒が変わっていく様

2)フラッシング反応

3)顔が赤くなる人は高血圧症を誘引

4)顔が赤くなる人はがん発症の可能性

5)エタノールパッチテスト