酒 吐き気楽しいお酒、、、のはずなのに、急にやってくる吐き気、嘔吐。そんな経験は少なくとも一度や二度はあるのでは?その気持ちの悪さや、同席の方に迷惑をかけてしまった申し訳なさもありますね。今回は酒と吐き気の関係についてご紹介します。






あなたは大丈夫?酒と吐き気の4つの関係

1)吐き気までの過程

(1)吐き気とは

楽しく美味しく飲んでいたのに、いきなりの吐き気、嘔吐の経験はありませんか。嘔吐までにはいくつかの過程があります。まず一番の悪玉はアセトアルデヒドです。アルコールは肝臓で分解されますが、その分解時に生じる代謝物であるアセトアルデヒドは大変に強い毒性を持っています。

本来は、このアセトアルデヒドが酢酸に分解され、その後、水と二酸化炭素となって排出されるのですが、アルコールを大量に摂取するとこのアセトアルデヒドの分解が追いつかず体内に分解されていないアセトアルデヒド=毒性の高いもの、が残ってしまいます。このアセトアルデヒドは嘔吐中枢を刺激する働きがあるため、嘔吐が生じるのです。

(2)吐き気は胃からのサイン

嘔吐の原因として、アルコールの胃への刺激も考えられます。摂取したアルコールの20~30%は胃で吸収されます。それにより、胃粘液が刺激されて大量の胃液(=酸)が働いてしまいます。胃液は時には胃そのものを溶かすくらい強力な酸を持っていますから、過剰に分泌されることで胃粘膜に炎症を起こしてしまいます。すると胃の防御機能が働き、これ以上胃に負担をかけないように、胃の中のものを外に出そうとします。これが吐き気や嘔吐になるわけです。もうこれ以上無理だよ、という胃からのサインですね。

2)吐いていいんです

(1)嘔吐は生命維持の仕組み

そもそも嘔吐というのは生命維持に必要な仕組みのひとつとも言われています。二日酔いに限らず、腐りかけたものやそのような臭いのするもの、見た目には普通でも口に入れたときにこれは良くないと感じて身体が受け付けず吐き出したなどの経験はありませんか?これは二日酔いではありませんが、異物などに危険を感じたものを吐き出すというのは、生命を守るための重要な防御反応といえます。

そこで飲酒からくる吐き気は、血流と関係があります。血中のアセトアルデヒドの濃度がMAXを超えると、嘔吐中枢にその信号が送られて嘔吐が起こると考えられています。お酒を飲みすぎての吐き気や嘔吐は、身体が、緊急事態ですよ!という信号でもあります。これは生きるために必要な生体反応ですから、吐いてもよいのです。

(2)繰り返し、無理やりの嘔吐はNG

吐き気や嘔吐は、生命の危機を感じての反応ですから、赤ランプが灯った状態と考えてみましょう。それは身体にとって大きなとなります。吐いたものの中には、胃酸や胆汁も含まれています。吐き気でこみ上げるときや、嘔吐後にすっぱいような臭いやつかえを感じませんか。これは胃酸によるダメージと考えられます。これは食道を傷めることにもなります。

繰り返し吐く、無理やり吐くということはできるだけ避けたいですね。吐いてしまえば楽になることもありますが、アルコールで傷んだ食道にさらなるダメージも与えることは知っておきましょう。

繰り返し吐くことのダメージは大きいですが、吐きたいけど吐けない、吐きすぎて胃が空っぽになっているのに気持ち悪い、というときは、常温の水を2.3杯飲んで、胃にさらなる刺激を与えて嘔吐を促すというのが無難な方法です。

(3)お酒の量はほどほどに

まだまだ大丈夫、と思っていたのに急激に気分が悪くなったり、さあもう一軒と二次会に行ってから吐き気がするなどの経験はありませんか。嘔吐中枢への刺激はアセトアルデヒド作用のひとつですが、これはアルコール分解が始まってからの話です。つまり、アルコールが吸収されるまで数時間かかりますから、吐き気はそのときにやってくることになります。ですから、あとから気分が悪くなったり、帰宅途中で吐き気をおぼえたり、となるわけです。

3)ツライ一日をどうする

(1)二日酔いの対処

「二日酔い」の吐き気は簡単には治まりません。なぜなら、何回もいうように、体内に残っているアセトアルデヒドを排出しなければならないからです。それには、まず水分補給と糖の補充です。

吐き気があると、水すらも飲みたくない、吐くことが嫌だからと、何も食べない飲まないのは逆効果です。また、吐き気と下痢などの症状を起こしているときもありますが、このときも身体から水分は失われていますから、必ず補給しましょう。

(2)症状に合わせて

胃の中に吐くものが無いのに、何度も嘔吐を繰り返して胃液しか出てこない場合には危険信号を発している可能性もあります。急性アルコール中毒などに陥っている可能性もありますから、周りの人間が注意を払うことも大事ですし、素人判断は大事につながります。気をつけましょう。

すっきり早く治したいときには市販の胃腸薬や吐き気止め薬なども効果があります。自分の症状に合わせて選びましょう。

4)まず飲む前に

(1)お酒を飲む前に

ちょっと一杯のつもりだけで始めた飲み会も、そのまま深酒になると、事前の準備が足りていないため、より二日酔いや吐き気を起こしやすいものです。前もって、乳製品を取ったり、小腹を満たすものを食べたりして空腹を避けて胃を守りましょう。

急激な血糖値の上昇を避けることも大切です。空腹からの飲酒もそのひとつですが、一気飲みや早飲みも血糖値を急上昇させる一因です。暑い日のビールや冷たい発泡酒は口当たりもよく、ついつい一気飲みしがちですが、血糖値も上がり酒量も増えることになります。自分のペースを守って飲みたいものです。

(2)お酒を飲みながら

いままでお話したように、できるだけ早くアルコールを分解させて体外に排出することが、二日酔い、吐き気を防ぐために必要です。飲酒の合間に、少しずつ水を飲むなど工夫をしましょう。

それでも、ツライ、治らないときは、とにかく横になって休むことです。睡眠も大切な解決策です。






今回のまとめ

1)吐き気までの過程

2)吐いていいんです

3)ツライ一日をどうする

4)まず飲む前に