二日酔い 空腹飲み会の後の〆のラーメンを我慢して帰った朝は、二日酔いによる怠さや頭痛の他にも強い空腹を感じることはありませんか?それでもいつも朝食を食べる習慣が無いので、空腹を我慢して会社に出勤します。これで本当に大丈夫なのでしょうか?






あなたは大丈夫?二日酔いと空腹の3つの関係

1) 肝臓の働きとは?

飲んだお酒が肝臓で代謝されることは、多くの人に知られています。吸収されたお酒は肝臓に運ばれて、最初にアセトアルデヒドを生成します。これは悪酔いや二日酔いの時の不快な症状の原因になる有害物質です。その後に体に害を与えない酢酸になり、炭酸ガスと水に変わって体の外に出ていきます。 肝臓の仕事はアルコールの代謝だけではありません。他にも大切な仕事があります。

(1) 栄養の代謝と貯蔵: 肝臓には、食べた食事の栄養を代謝して貯蔵する働きがあります。糖分や脂肪分エネルギーに変えるなどして貯蔵し、たんぱく質やグリコーゲンを合成・分解します。そしてこれらを必要な時にエネルギーとして体中に送り出します。

(2) 血糖値のコントロール: 肝臓がご飯などで摂取したブドウ糖を、グリコーゲに変えて貯蔵して血糖値が上昇しすぎないように調整しています。そして血糖値が低くなってくると低血糖症状を起こさないように、蓄えておいたグリコーゲンをブドウ糖に戻して血液中に送ります。

(3) 血漿中のたんぱく質の合成: 血漿中に含まれるたんぱく質や、コレステロールを肝臓で生成して血液中に送ります。

(4) 有害物質の排除: お酒を飲んだ時に生成されたアセトアルデヒドのような有害物質は、食品の中にも微量に含まれます。これらや薬物を肝臓に貯蔵し無毒化する、「解毒作用」の働きも肝臓の大切な役割です。

(5) 胆汁の生成: 食べたものを消化するときに必要な胆汁は、肝臓で作られます。

2) 飲み過ぎた時の肝臓は一晩中働いています

お酒をたくさん飲むと、お酒に酔います。この酔いは「アルコールによる脳の麻痺症状」で、陽気になり気が大きくなる人が多いです。これを過ぎると日頃の人格とは別人のような行動を取ったり、呂律が回らずふらつきながら歩いたりする酩酊の状態に移行します。 飲んだお酒は吸収されてから肝臓で2回の代謝により分解されるのですが、これには一定の時間がかかります。お酒を飲み過ぎた時は、飲み会が終わって自宅で眠っている時にも肝臓はお酒の代謝の仕事が残っているので、必死にフル活動をしています。

3) 二日酔いと空腹の3つの関係を知っていますか?

お酒をたくさん飲んだ翌日は、二日酔いになる事があります。酷い症状の時には頭痛や吐き気で動くことが出来ません。しかし軽い二日酔いの時や、嘔吐してスッキリしたい後にはいつもの朝とは比較にならないほどの強い空腹を感じ、フラフラになる事があります。実はこの症状には危険が生じる可能性があるのです。

(1)お酒の分解にはエネルギーを使う: 酔っぱらって自宅で眠っている間にも、肝臓は飲んだお酒を分解するためにフル活動を続けています。肝臓は代謝の際にかなりのエネルギーを使っています。

(2)お酒を分解している間はエネルギーが作られない: 肝臓が代謝活動をしている時には、大量のエネルギーが必要です、体が必要とするエネルギーは通常、肝臓にグリコーゲンの形で貯蔵されています。代謝活動の時にも、同じエネルギーを使います。 しかしお酒を代謝している間は、蓄えたエネルギーをブドウ糖に戻す仕事は同時にはできないのです

(3)血糖値のコントロールが出来なくなる: 肝臓はアルコールの代謝作業を優先させます。しかもたくさん飲酒した時は仕事量が多く、肝臓はそれ以外の仕事をする余裕はありません。 肝臓の仕事の一つに、「血糖値のコントロール」があります。この時はこの仕事も出来ません。

4) お酒を飲む時に気をつけたいこと

通常は血糖値が下がり空腹を感じても肝臓内にエネルギーが貯留されているので、それを利用して血糖値は一定に保たれています。しかし、お酒を飲んでいる時には肝臓はアルコールの代謝を優先させるので肝臓自体が代謝に必要なエネルギーのブドウ糖をグリコーゲンから戻す作業が出来ません。もう一つの血糖値のコントロールも出来なくなります。

低血糖の症状は最初は空腹感やイライラする症状ですが、そのまま放置すると意識を失い危ない状態になります。そしてこの低血糖の状態を何回も繰り返しているうちに、肝臓が血糖値を正常に保つ働きが狂ってしまうので、糖尿病に罹る可能性もあります。糖尿病は1回罹ったら完治はしません。高血糖の状態が続くと恐ろしい合併症を起こすこともあるのです。

これの低血糖の状態を防ぐためには、まずは酔わない程度の飲酒量に抑える事です。泥酔や二日酔いうにならないように適量を守ることが大切です。そして水分を十分に摂取して、食べ物もしっかり食べることが大切です。

炭水化物をしっかり摂取することで、夜間に代謝に必要なブドウ糖が補えます。 帰宅後にベッドに入る前にも、水分摂取が必要です。その時にはスポーツ飲料を飲むようにすると、お酒による脱水症状がを防ぐことが出来ます。そしてスポーツ飲料の糖分が代謝に必要なエネルギーになるので、朝起きた時の二日酔いや脱水症状・低血糖の症状を予防することが出来ます。






今回のまとめ

1) 肝臓の働きとは?

2) 飲み過ぎた時の肝臓は一晩中働いています

3) 二日酔いと空腹の3つの関係を知っていますか?

4) お酒を飲む時に気をつけたいこと