二日酔い サウナ飲み会の翌日、朝起きると予想通りの軽い二日酔いの状態です。しかしその日は会社がお休みなので、体に残ったお酒を抜くためにサウナに行こうと思います。でもこれは正しい方法でしょうか?二日酔いの時の間違った行動は、命を落とす可能性を引き起こします。






意外と知らない真実!二日酔いとサウナの2つの関係

1) 二日酔いの状態とは?

お酒を飲み過ぎた時に、二日酔いになることがあります。吸収されたアルコールを肝臓が分解するには、一定の時間がかかります。ここにかかる時間よりも速いスピードでお酒を飲み続けたら、代謝途中に生成されるアセトアルデヒドが溜まり続けます。このアセトアルデヒドが、二日酔いの症状を起こす原因なのです。 飲み会で2次会や3時間まで参加して夜遅い時間に帰宅し、眠っている間に肝臓は休まずアルコールの代謝のために働いています。しかし飲み過ぎると、朝目覚めた時にはまだ体の中にアセトアルデヒドが残っているため吐き気や頭痛に悩まされます。

2) サウナの効果とは?

温泉施設やスポーツジムなどで、気軽にサウナが利用できます。これは痩せる為に利用しているという意見もあります。確かにサウナの後に体重を測ると、僅かに体重が減少していることがあります。しかしこれは、体の外に出た汗の量の重さなのです。 それではサウナには他にどのような効果が期待されるのでしょうか

(1) 老廃物の除去: サウナでは大量の汗が流れます。これはスポーツの汗と同じように体の中の老廃物を除去します。

(2) 冷え性が改善する: サウナで体を温めると毛細血管が拡張して、体を芯から温めてくれます。繰り返し利用することにより、末梢や足先・内臓などの冷えの症状の改善に役立ちます。

(3) 美肌効果がある: サウナでは蒸気や熱気で皮脂腺の働きが活発になります。毛穴が開き奥に詰まった汚れを汗と一緒に排出します。毛細血管が開き血液循環が良くなるので、ターンオーバーの正常化にも役に立ち美肌効果が期待できます。

3) 汗って何?

汗は皮膚の下にある「エクリン腺」と「アポクリン腺」という二つの汗腺があり、そこから分泌される液体です。血液中のミネラル成分が汗腺で濾過されて作られます。エクリン腺は体中にあり、ここから出てくる汗が日頃スポーツなどをした時に流れる汗なのです。汗は体の温度が上昇しすぎないように、調節をする目的で出てきます。

気温が高い時・スポーツの時・お風呂屋サウナに入ったとき・緊張した時にここから汗が流れます。辛い物を食べた時にもここから汗が出てきますが、これには腎臓の機能を助ける役割もあります。 一方アポクリン腺は思秋期ころから脇の下などに出来てきます。緊張や興奮状態の時にはここからも汗が出ますが、ここからの汗は臭いがします。

4) 知らないと怖い二日酔いとサウナの2つの関係

汗は血液中のミネラル分を濾過して造られる、水のようなものです。血液中に含まれている水分の一部が体の外に出てくるのです。お酒を飲んで二日酔いの状態の時は、ほとんどの場合が脱水症状に陥っています。この状態でサウナへ行って汗を流したら、体の中がカラカラになり、命の危険もあるのです。

(1) 脱水症状に追い打ちをかける: 大量のアルコールを飲むとお酒の利尿作用により、トイレの回数が増えて必要以上に体の中の水分を排出してしまします。尿とは血液の不純物などを腎臓で濾過して造られるので、血液中の水分が満たされていなければ細胞からも絞り出すので体の中はカラカラになります。

そして睡眠中にも肝臓の代謝作業は続けられているので、この作業でも水分をたくさん使います。 飲酒中やその後の睡眠前に十分な量の水分補給が出来ていなければ、二日酔いと脱水症状は一緒に起きてしまいます。このままの状態でサウナへ行ったらどうなるでしょう?前に書いた通り、汗は体温を下げるために出ます。

体の中の水分が不足した状態でサウナに行くと、汗を出すことが出来ないのでぐんぐん体温が上昇します。こうなると心肺が正常に機能しなくなり意識を失います。

(2) 脱水症状は大きな病気を招く: 体の中の水分が出てしまうと、血液が濃くなりドロドロになります。このドロドロの血液は血管の細い部分で詰まりやすくなるので、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。サウナの途中で倒れ、生命が危うい状態になる事があります。もし助かった場合でも半身麻痺などの、重度の合併症が残るかもしれません。

お酒を飲むと胃と小腸で吸収されて肝臓に運ばれ、アセトアルデヒドになった後は酢酸に代謝され、二酸化炭素と水まで分解されて尿になり体の外に排出されます。この一連の流れから考えると、汗の中にアルコールは入っていません。汗は血液中のミネラル分を濾過した水のようなものなのです。

飲み会の翌日にまだ体に残っているアルコールは、汗の中には少しも含まれていません。サウナで汗を流してアルコールを抜くというのは間違っている方法なのです。

お酒を飲む時は節度を守り、飲み過ぎないように注意することが必要です。そしてお酒を飲んでいる途中から水分摂取を心掛け、帰宅後の睡眠前にも十分に摂取しましょう。もし朝起きて二日酔いになっていたら、更に水分を摂取する必要があります。






今回のまとめ

1) 二日酔いの状態とは?

2) サウナの効果とは?

3) 汗って何?

4) 知らないと怖い二日酔いとサウナの2つの関係