梅干し 二日酔い和食のおかずの代表の梅干は、おにぎりの具やお弁当のおかずに欠かせない存在です。殺菌効果があるので、食べ物が傷みやすい夏にはお弁当に1個入れておくだけで安心ですよね。 実はこの梅干し、二日酔いにも効果を発揮することがわかっているのです。






意外と知らない真実!梅干しと二日酔いの4つの関係

1) 二日酔いとは

飲み過ぎた翌日に目が覚めると、ひどい吐き気や頭痛に襲われて動くのもままならないことがあります。しっかり食べて水もたくさん飲んでおけばよかったと、後悔をしてももう手遅れです。 この二日酔いはお酒をたくさん飲み過ぎて肝臓がアルコールの処理に間に合わず、中間代謝物のアセトアルデヒドが体内に蓄積されて起こる症状です

そして暴飲暴食で胃が荒れるので、吐いて吐き気が治まった後にも胃のもたれは続きます。肝臓はアルコールの処理を優先して全力で仕事をするので不純物の解毒には手が回らず、熟睡したにもかかわらず疲労物質も体に残っているので、体のだるさも強く残ります。

2) 日本人が梅干を食べる習慣

多くの日本人は、梅干しが大好きでご飯にのせたりおにぎりに入れたりして食べています。梅干しには消化を促す効果があり、疲労回復や動脈硬化の予防にも役立ちます。真夏のような大量の汗を流すときには汗で失われたナトリウムを素早く体に補給できるので、低張性脱水の予防にも重宝します。

梅干しの原産は中国で、日本にも早い時代から入ってきていました。平安時代の天皇が昆布茶と梅干しで病を治したという言い伝えもあります。そして戦国時代には、梅干しが傷の消毒にも使われるようになりました。合戦の場での伝染病や食中毒の予防にも使われていたと言います。

江戸時代には梅干しの作り方が記されており、紫蘇の葉を使うなど現代での梅干しの作り方とほぼ一緒だったのではないかと言われています。そして昭和のはじめでは、ごはんの真ん中に大きな梅干しを1つのせただけの「日の丸弁当」がお弁当の定番になりました。

3) 梅干しと二日酔いの4つの関係

梅干しと二日酔いの4つの関係 健康に役立つ梅干しが、二日酔いにも効果を発揮します。その4つの関係を紹介します。

(1) 疲労回復: 二日酔いではアセトアルデヒドの蓄積により、疲労感や倦怠感が強くなります。梅干しを食べると中に含まれているクエン酸の働きで、疲労物質を分解して体の外に排除してくれます。

(2) 胃粘膜の保護: お酒を飲むとお料理もたくさん食べるので、胃粘膜が剥がれて胃を直接刺激して傷めてしまいます。この結果胃もたれや食欲低下が起こります。梅干しを食べると、唾液が口の中でたくさん分泌されてそれが信号になり、胃液もたくさん分泌されます。これで胃粘膜が保護されて傷んだ胃壁が修復され、胃腸の機能も正常化します。

(3) ナトリウムの補給: お酒には利尿作用があります。飲み会でお酒をたくさん飲んでいると、だんだんトイレへ行く回数が多くなってきます。この時に必要以上の水分が体の中から外に出すぎて、脱水症状を起こします。尿の成分にはナトリウムが含まれており、トイレの後に水だけ補給していてもナトリウムは補えません。すると低張性脱水を引き起こします。 梅干しにはナトリウムが多く含まれています。1つ食べるとナトリウムが十分補えるので、低張性脱水は避けられます。

(4) 肝臓の機能を活性化: 二日酔いはアルコール代謝の途中で発生する、アセトアルデヒドが原因です。二日酔いの時は一刻も早くこのアセトアルデヒドを分解してしまわなければいけません。 梅干しの中に含まれる「ピクリン酸」という物質には、肝臓の機能を活性化させる働きがあります。梅干しを食べてピクリン酸を補うことによって肝機能が高まり、二日酔いの症状を引き起こすアセトアルデヒドをきちんと代謝し体の外へ排出してくれます。

4) 二日酔いを予防するために梅干を摂取るタイミングは?

梅干しは二日酔いを予防する働きがある事を、説明しました。それではどのタイミングで梅干を食べればいいのでしょうか? お酒を飲む前に梅干を食べておくと、唾液や胃液の分泌で胃を保護してくれることを前に書きました。

先に食べておくと胃を保護してくれるので、アルコールの吸収を抑え胃壁への直接的な刺激も防ぐことが出来ます。 そして飲んでいる途中で梅干を食べながら水分を摂るとナトリウムが十分補給されるので、アルコールの利尿作用で水分が外に出てしまっても脱水症状を予防することが出来ます。

飲み会の後の寝る前に梅干を食べると、クエン酸が疲労回復を助け肝臓の機能を活性化してくれます。そして暴飲暴食で荒れた胃壁の修復も助けてくれます。効果的に摂取したら、あの嫌な二日酔いの症状に合わずに済みます。 しかし、梅干しの摂取には注意が必要です。梅干しには塩分が多く含まれているので、高血圧の人が日頃より多く梅干を食べると体の調子を崩すことがあります。

健康診断などで塩分の摂取量を控えるようにと言われている人は、たくさん食べないで飲み会の前か後に1つだけ食べるようにしましょう。 そして二日酔いを予防するには、アルコールの適量を守ることが大切です。肝臓に負担をかけすぎない量とペースを保って、水分補給をしながらお酒を飲めば二日酔いになる事はありません。






今回のまとめ

1) 二日酔いとは

2) 日本人が梅干を食べる習慣

3) 梅干しと二日酔いの4つの関係

4) 二日酔いを予防するために梅干を摂取るタイミングは?