急性アルコール中毒 対処忘年会、送別会ではついついお酒が進んでしまい、その時に気を付けなければならないのが、「急性アルコール中毒」の発症です。今回は急性アルコール中毒を発症した場合の対処法についてご紹介します。






気づいたら病院に!急性アルコール中毒の9つの対処法

1)急性アルコール中毒の事前知識

「楽しかったのでつい羽目を外してしまいました……」「二日酔い」で済んだあなたは幸運だったかもしれません。もし、酔いが進んで「急性アルコール中毒」を発症してしまったら、突然意識を失って救急車で病院に運ばれるようなことや、対処を間違えば死んでしまうこともあります。「頭ではわかっていたのですが、つい……」はこうなると言い訳にもなりません。ご自身のため、一緒に楽しかった仲間を悲しい思いにさせないために一度勉強しておきましょう。

(1)いつが多い? 救急搬送

東京消防庁のホームページで公開している急性アルコール中毒による救急搬送は年間を通じて12月が最も多く、平成26年のデータでは1619人と表示されています。宴会など団体でお酒を飲まれる場合は、一緒に飲んでいる周囲の方もそういうことにならないよう、飲みすぎについて注意を払うことが大切です。

グラフを見ると残念なことに、20歳未満の若年層にも少なからず発生しています。ここは保護者や大人が飲酒しない、させないように教えていくことが必要です。

(2)急性アルコール中毒は病気です

急性アルコール中毒とは、アルコール飲料としてエタノールを短時間に多量に摂取したために通常の酔った状態を超えて、運動失調や意識障害、さらには昏睡、呼吸抑制、血圧低下といった状態が生じることです。重症の場合には死亡することも多く、決して軽視できません。

(3)酔いのメカニズム

お酒を飲むと酔います。 当然のことですが、お酒は体のどこに影響して「酔う」という状態を引き起こすのでしょうか。適正飲酒の普及・啓発と未成年者飲酒防止をテーマに啓発活動を続ける「公益社団法人アルコール健康医学協会」によると酔う段階が6段階に分かれているそうです。

何事もほどほどを是とすべし。ほろ酔いくらいで止めておきましょう。

2)急性アルコール患者が出たらこう対処する

先ほどのアルコール健康医学協会では、もしも急性アルコール中毒者が出てしまったら以下のように対処を心がけるように呼びかけています。

(1)意識がない場合(昏睡状態、反応がない)は救急車を手配する

「事態が大きくなるとまずい」とか「未成年に飲ませてしまった」などと体裁を考えている場合ではありません。
人の命に関わることですので、即行動あるのみです。 どうしても不安なときは、各地方自治体には必ず「救急相談センター」があります。 まず症状を話して救急車を呼ぶべきか判断を仰ぐことも良いでしょう、

(2)一人にせず、誰かが必ず付き添う

「寝てしまった」といって、酔いつぶれた人を別の部屋に移動させて一人にしておくことはとても危険です。
気づかないうちにさらに悪化して、気が付いたら死亡していたというケースもあります。必ず付き添ってあげてください。

(3)横向きに寝かせる

上を向いて寝かせると自分が吐いてしまったもので喉を詰まらせて窒息死してしまうことも考えられます。横向きに寝かせておけば、本人が知らないうちに吐いてしまっても自然と口から出てしまいます。

(4)ベルトなど身体を締め付けているものは外す

大切なことは呼吸し続けることです。体を締め付けているものがあれば緩めて上げましょう。

(5)自分で吐けない場合は無理に吐かせない

酔いは吐いたら治るということはありません。ゆすったり、無理に体を抱き起こしたりすることは危険です。
横向きにしたまま自然と口から出るようにさせましょう。

(6)嘔吐した時は、吐しゃ物をよく拭き取る

意識がない本人は喉の詰まりを自主的に直そうとはできません。のどを詰まらせないようによく拭き取ってあげましょう。

(7)ときどきバイタルサイン(息をしているか、脈があるか)を確認する

先ほどの一人にしない、付き添ってあげている人の役目です。呼吸の確認や体温の低下に注意してあげます。

(8)体温が下がらないよう、毛布や上着などをかける

この状態になった人は自力で体温調節ができません。血圧が下がり、低体温症になりがちです。上着や毛布を手配してかけてあげましょう。水分も氷が入った冷たいものよりも人肌程度の飲み物を飲ませてあげます。

(9)可能ならば水やお茶、スポーツドリンクなどの水分を補給する

アルコールは血中に存在している状態なので、アルコール濃度を下げるためにも水分は多く摂らせましょう。ただし、自力で飲める場合です。無理に飲ませては呼吸困難になる恐れがあります。ただし、水分の吸収を良くするスポーツドリンクには注意が必要です。

お判りになりましたか。お酒はみんなで楽しむためのものです。何度も言いますが、「何事もほどほどを是とすべし」です。






今回のまとめ

1)急性アルコール中毒の事前知識

2)急性アルコール患者が出たらこう対処する